それはきっと未来でなく。『ギスギスオンライン』
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「このゲームは、プレイヤーが持ち前の知識や経験を活かしてキャラクターを育てるゲームだ。魔物を倒してレベルを上げるってだけじゃない。ゲームの中での経験が、キャラクターの心の在り方を決める。これまで俺はリアルの俺がコタタマというキャラクターを動かしていると認識していたが、そうじゃないんだ。あらゆる行動にペナルティが付き、キャラクターの性向が決まる。それがこのゲームの本質だ」
作中のセリフをそのまま引用しました。
その上で私はこの作品を、多分に現代ソーシャル空間の暗喩が含まれた思弁的エンターテインメントだと解釈しました。
例えばあなたがTwitterをするとしよう。Twitterに最初に書き込まれるのは、あなたの日常だ。あなたがキーボードを叩き、あるいはスマホの画面をフリックして、そうして文章が打ち出される。
それは全てあなたの意志による。けれどだんだんとソーシャル要素が増えていくにつれて、人と関わり続けていくにつれて、あなたはキャラになる。
あなたは「あなた」というキャラとして見られるようになる。
「あなただから」こういうコメントをする。「あなただから」こういうツイートをする。そういったお約束、流れのようなものに飲み込まれていく。それがキャラだ。
周囲から押し付けられ、あるいはあなた自身があなたに押し付けたキャラを、画面の中のキャラクターは忠実に遂行する。
それがこのゲームの本質だと私は思い、その認識を介してこの作品を読んでいます。
おそらくそれは、私があなたに「そういう作品」だという認識を押し付けているということなのでしょうが……。まあ、根底はエンターテインメントですよ。
パロネタ多し。ゲスネタ多し。そして狂ったキャラクター。
深く考えずともよいです。無数の伏線があなたを叩くでしょうが、心配はいりません。謎は明かされ、コタタマは死にます。
これは、とあるVRMMOの物語。
人類弱すぎ敵強すぎ。ぶっちゃけ異世界か何かに飛ばされた仮想上の「あなた」が縦横無尽に死にまくる。
主人公はあなたです。画面の前のあなたが作った「あなた」がコタタマです。
GunS Guilds Online
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